まどろみの世界に現実は訴える まどろみのせかいにげんじつはうったえる


視界が霞みがかかった様に見える・・・

聞えてくる、銃音や悲鳴がやけに耳につく・・・・

『俺達、ちょっと用事があるから、まだ行けないんだ。
 は1人で行ける?』

、ちゃんとシェルターに入るんだぞ』

太陽の様なオレンジの髪の人の言葉
兄の様に慕っていた人の声

思い出される言葉に呪文でも掛かっていたのか
操られる様に開かれている扉の中へ入って行った。

イタイ・・・・アツイ・・・・・
私はどうなるの?
アノ時と同じ?
チガウ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・本当に?

朦朧とする中、傷ついた足を引きずり開いている席に
倒れ込む様に座り

靄のかかる視界の中に、現実では無い風景が見えた。

悲鳴を上げ、逃げ纏う人
銃が連射される音
何かを叫び散らす男の声の人

立っていた人が見えなくなり
赤色だけが鮮明に色づいていた。

逃げて!
早く逃げて!じゃないと貴方達も!!
私なんてどうでもいいから!
お願い貴方達だけでも逃げて!!

声無き声で叫ぶものの
現実ではない風景に違和感を感じた。

私ナンテドウデモイイカラ!

わたし・・・・・

違う・・・・ソコに入るのは私じゃない・・・・
私はココにいる!
ソコは私の居場所じゃない!

独り、また独りと赤を残し見えなくなる
白と黒の中に鮮明に見える赤は鮮明すぎてイヤでも目につく

キズの痛みと発熱の為か
息が荒くなり、息苦しささえ感じるものの
見知らぬ人々からの視線を受け、
出来るだけ息を殺す様に小さくする様に心がけ始めた時
体が揺らされ、耳元で声が聞えた。

見えている風景が消えていく・・・・

見えていた風景が消え、金色の髪とオレンジ色の瞳が入り

「おい、大丈夫か?」

声に頷くと額に冷たさを感じ、目を閉じる

「すまないが席を変わってくれないか?」

言葉と人が動く気配を感じ取る
どうやら、隣に座っていた人と声をかけてくれた人が席を変わったらしい

額から冷たさを感じなくなったが時々額にハンカチを当てられ
言葉をかけてくれる。

「大丈夫だ。力を抜いてろ、その方が楽だろう。
 なんなら肩をかしてやるぞ?」

聞えてくる言葉に返事を返さなければと思うが
声を出す力もなく、首も動かす力も無かった。

暫くして、ウルサイぐらい大きな警告音
そして、機械音声の声が聞えると
振動を感じ取るが、同時にキズに激痛を感じ意識を手放した。


真っ暗の中から、いきなり真っ白で光輝いている世界に
やってきたと思うと、あまりの眩しさで両手で目を庇い
瞼をきつく閉めると、
何十人の声が聞えそれに比例するように慌しく動く足音に
不思議に思い閉じていた眼を開けると
刺すぐらいの光が再び目に入り、何度か瞬きをし光に慣れると
見慣れぬ天井に金色の髪が入ってきた。

「目が覚めたか!」

弾む様な言葉のリズムに首を動かし見ると
見覚えのある少女と見知らぬ男性が立っていた。

なにか返す言葉を・・・
思うにも声を作り出す為にノドに力を入れるが
上手く動かず、口が形だけを作ってしまう
が、相手には十分伝わったのか

「ここは、オーブだ」

髪の毛をすかれ、優しく撫ぜれ
帰ってきた言葉に眉を潜める

「その、ヘリオポリスは崩壊してしまった為
 資源国家であるオーブにシェルターが回収されたんだ」

言い難い言葉だったのか1回視線を外し
決心をした様に頷き紡がれた言葉に目を見開き驚いていると
今まで黙っていた男性が声をかけてきた。

・ヤマトだね
 君のご両親は無事だ」

ヒゲを蓄えた男性の声に驚き体を揺らすものの
今出せる全ての力を使い頷いた。

そんな行動に相手も頷き返すと

「君のご両親は本当のご両親ではないね」

言われる言葉に息を呑み、動けなくなる。
そんな行動にも男性はうろたえる事は無く
また、言葉を言う

「本当の両親に会いたいとは思ぬか?」

本当の両親?
記憶の扉を開けるにも、ソコから先は無く
言われた言葉に該当する人物は思い出されなかった。

「お父様!お父様も先程の話を聞いてらっしゃったでしょう。
 トモエには・・・いえ、には記憶が無いのだと!!」

耳に入ってくる言葉に驚きと混乱で反応すら表す事が出来ずにいると
金色の髪に少女が後ろを見、大きな声で反論を示すが
男性の視線で黙らせられ、バツ悪そうに向き直すと
再び髪をすき頭を撫ぜ始めてくれた。

「彼女には受け止めてもらわねばならん。
 今後の為にも、そしてお前の為にもな」

誰を指し、放たれた言葉に
金色の髪の少女を俯き、撫ぜていた手が止まるが
骨ばった大きな手が頭を撫ぜ離れてると
部屋を出て行った。

声と離れていた所から見ていた人物は
近くに寄って来ると、優しそうな目をして、大きな手で撫ぜられると
今までの驚きと混乱は無くなり、安心感を感じると
大きな背を向け部屋から出て行ってしまった。

見えなくなってしまった背中に寂しさを感じるが
金色の髪を持つ少女が声をかけてくれた。

「そういえば自己紹介をしてなかったな。
 私はカガリだ。カガリ・ユラ・アスハ
 よろしくな」

オレンジの瞳を細め、微笑むカガリと名乗る少女に

・ヤマトです」

覚えている名前を言うと
哀しそうに微笑むが

だな。
 ココは私の家だ。何かあったら遠慮なく言えよ」

まぁ、出来るだけの傍にいるけどな!

笑うカガリに頷き微笑み返すと
今度は乱暴に撫ぜられた。

「それで、オーブに着いた後、
 病院に行って手術したんだぞ。
 銃弾が残ってたらしくてな、その後も熱が中々引かなくて
 心配したぞ」

出会ってから今までの経過を聞き
自分がどれだけ大変か思い知り
どれだけ迷惑をかけたか思うとつい

「ごめんね、カガリ
 なんだか迷惑ばかりかけてしまって・・・・」

誤ると、笑いながら

「気にするな、私もお父様も気にしてないさ。
 あぁ、お父様は先程まで居た人だ。
 名前はウズミ・ナラ・アスハ」

テンポの良い言葉を返してくれ
一定速度でお腹を優しく叩いてくれると
眠気が襲い掛かり、カガリに言葉を返す前に闇へと落ちていった。

「私は、だろうとトモエだろうと帰ってきてくれた事が嬉いんだ」

優しく囁く声は部屋に差し込んでくる光と風に攫われ
寝ているには届かなかった。




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            第3話

                 いきなりの急展開申し訳ないです・・・・・
                 にしても、勢いで書いてしまったので分かり難いかも知れません・・・・
                 話はオーブからスタートですのでTVだと25話ぐらいから入ります。
                                                        2003 9 24